こんにちは。hoimiと申します。
国土交通省よりドローンの民間有資格者が優遇されていた飛行許可申請簡略化が、
2025年12月5日以降「廃止」と発表されました。
(民間資格自体がなくなるわけではありません)
現在、ドローンの知識や技能を示すものとして「民間資格」と「国家資格」がありますが、
上記の通り、今後は「民間資格」では技能証明としての効力やメリットが低下していくことになりそうです。
これにより、今後は国家資格の需要もさらに多くなりそうです。
災害時・点検・物流・調査・測量などの様々な場面でこれからもっと需要が増えるであろうドローン。
今回は民間資格優遇の廃止の背景や、今後は重要・必須となる国家資格取得についての記事を、私の資格取得の体験も交えながら、解説していきます。
良かったら参考にしてみて下さい。
この記事を読んでいただくと
- 無人航空機操縦者技能証明とは
- 民間資格では飛行許可申請が廃止される理由
- 国家資格取得の際にメリットになる?民間資格
- 国家資格取得のすすめ方
- 二等国家資格者が第二種機体認証機を操縦するメリット
についてご理解いただけると思いますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
・自己紹介
- 40代会社員
- 日本ドローン操縦士検定3級を保有。国土交通省、包括申請承認済み。
- 2024年7月、二等無人航空機操縦士資格取得。
- 第三級陸上特殊無線技士、第4級アマチュア無線技士
- 国土交通省、包括申請承認済み。
もくじ
無人航空機操縦者技能証明とは
ドローンが注目され始めている現在は、空撮をはじめ農薬散布から災害対応まで様々な分野での利用がメディア等でも多く取り上げられ、期待も高まっているように感じています。
しかし一方では、その飛行特性から重大な事故を引き起こしてしまい、最悪の場合は人命被害にまで及ぼす可能性もあります。
このような背景から、無人航空機(ドローン)の安全な飛行を確保しつつ、その機能を最大限に活用するために、2022年12月より無人航空機操縦者技能証明制度がスタートしました。
無人航空機操縦者技能証明とは、無人航空機(ドローン)を飛行させために必要な知識及び能力を有することを国土交通大臣が証明する資格制度です。
その一定以上の能力を有するかどうかを判定するためには次の試験に合格しなければなりません。
- 学科試験
- 実地試験
- 身体検査
上記3つの試験は、国土交通大臣が指定した民間の「指定検査機関」で実施されます。
実地試験は、学科試験に合格した後でなければ受験できないことになっていますが、国土交通大臣の登録を受けた「登録講習機関」(車で例えれば自動車教習学校)が実施する講習を修了している場合は「実地試験」が免除となります。
受験資格は?
- 16歳以上であること
- 航空法の規定により、国土交通省から本試験の受験が停止されていないこと
欠格事由は?(参考までに)
- 16歳に満たない者
- (※)航空法の規定に基づき、技能証明を拒否された日から1年以内の者または技能証明を保留されている者
- (※)航空法の規定に基づき、技能証明を取り消された日から2年以内の者、または技能証明の効力を停止させられている者
民間資格の「飛行許可申請」は廃止
従来は民間資格を所有していれば特別な飛行(特定飛行)の際に行う飛行許可申請が一部簡略化されるなどのメリットがありましたが、2025年12月以降はその効力を失い国家資格保有者に限定されます。
そのため、業務でドローンを使用する方や、特定の条件下で飛行させたい場合は国家資格が必須になります。
ですが、民間資格自体が完全に廃止されるというわけではなく、ドローンの操作技術や知識の証明としては利用できるかと思います。
ドローン民間資格の飛行許可申請廃止の理由は?
ドローンの民間資格のいわゆる優遇措置が2025年12月に廃止される理由のひとつとしては
国家資格への「一本化」が進められていることにあります。
現在日本には様々な民間資格団体があり、それぞれ独自のカリキュラムや認定基準を設けているため、ばらつきがあります。
どの団体も資格の取得を通じて操作技術や安全知識の普及に努めていますが基準が統一されていません。
例えば、ある団体は基本的な飛行技術を教えるのに対し、他の団体では特定の産業用ドローンの操作を重視していたりします。
座学の範囲も同様で、法規や気象の基本的な知識を教える団体もあれば、ドローンの仕組みや電波の利用。ドローン特有のカメラ操作といった専門的な内容を含む場合もあったりします。
そのため、民間資格が安全を十分に保障する証明の信頼性が不十分であると考えられる可能性があるので国家資格に一本化することによって、統一された基準の下で技能や知識を保証しドローンを運用していく安全性を高めていくことが目的となっているようです。
民間有資格者の今後と、今あえて民間資格を取るメリット
2025年12月で民間資格での特定飛行の許可申請は廃止になっても、民間資格それ自体に価値はありますので、メリットがないわけではありません。
民間資格のメリットは以下のようなことがあります。
- 国家資格取得へのステップ
- 特定分野での専門知識...等
メリット① 国家資格取得へのステップ
民間資格を取得していると、ドローンスクールに入校したら「経験者」扱いとなることが一般的です。
スクール入校前に知っておきたいことも
登録講習機関での受講や指定検査機関の試験に必要となる番号です。
あらかじめにオンラインサービスのドローン情報基盤システム(DIPS2.0)のホームページから取得できます。
スクール以外にも費用はかかってきます。
- 指定検査機関への受験申請費用(学科試験、身体検査)
- 国土交通省へ技能証明書交付手数料 3000円(一等・二等共通)
- その他:一等資格のみ登録免許税 3,000円(技能証明書交付時に納付)
私が通ったスクールでは十分な飛行経験(自己申告)でも経験者扱いとなった為、既に取得していた民間のドローン操縦士検定3級合格証と国土交通省に特定飛行の許可・承認手続き(包括申請許可書)、学科試験合格書で証明できて経験者扱いとなりました。
初学者コースと比べて教習時間は14時間短縮、料金は15万700円安くなって
9万5700円でした。(税込み)
現在、ドローンの民間資格を取得している方で、今後も承認が必要な飛行や業務で利用するのなら飛行許可申請は必須となる場面が多くなるはずですので、申請を簡略化できる国家資格を取得することが自然な流れとなってくると思います。
ちなみに私がドローンを購入後、二等の国家資格取得までは以下の通りでした。
- 2023年7月、ドローン操縦士協会のドローン操縦士検定3級を取得。
- 承認不要の飛行で10時間以上の飛行実績。(自己申告)
- 特定飛行の許可・承認手続き(包括申請)
- 2024年1月、二等国家資格学科試験に合格
- 2024年5月、登録講習機関のスクール入校(技能のみ)
- 技能教習4時限、終了試験対策(机上・口述試験など)2時限、計2日間で終了。
- 翌日、修了試験を受験。実地試験免除。技能証明書発行手続き開始。
- 技能証明交付日/登録日 2024年7月16日
といった感じでした。
私が受講したスクールは自宅から車で1時間以上もかかるため、受講から終了試験まで2日間の計6時間(技能学科4時間、技能2時間)で終われたのは良かったです。
初学者コースと比べても時間と金額を大幅に低減できました。
ちなみに、二等初学者コースは筆記学科と技能、教習時間は10時間ずつの計20時間で
基本料金+オプション(限定解除)で24万6400円
経験者コースは技能学科教習4時間、技能教習2時間の計6時間で
基本料金+オプション(限定解除)で13万4200円
私はすでに学科試験は合格済みだったので筆記学科料金とテキスト代はかからず9万5700円でした。
初学者コースより61%以上安く、経験者コースより28%以上安かったことになります。
メリット② 特定分野での専門知識
一部の民間資格は、空撮、測量、農業、インフラ点検などの業務に特化したカリキュラムを提供していることがあります。
そこで教える資格を取得すれば特定の業界や用途に適したスキルを習得でき、ビジネスの現場で採用や契約の際に役立ちプラス評価が期待できます。
民間資格講習でも当然、安全に飛行させるための飛行技術や法令知識も学びます。
民間資格を取得することで国家資格試験に必要な知識・技術を事前に習得できます。
承認が必要な飛行(特定飛行)のことや、機体の構成、機体以外の要素技術や整備、電波法など、
基礎知識を学び、習得しておくと国家資格試験の準備がスムーズになります。
ドローン国家資格スクール以外での取得方法は?
ドローンの国家資格を取得する方法は、登録講習機関のスクール以外に
国が指定した民間の「試験機関」で実施される無人航空機操縦士試験を受験する方法です。
※指定試験機関は一般財団法人 日本海事協会の1団体のみ。
スクール受講なら実地試験は免除ですが、学科試験には「免除」はありません。
一等資格と二等資格の違いって?
ドローンの国家資格一等と二等の違いはどういったところなのかを解説します。
- 一等資格
一等資格を取得すれば、最高難度のレベル4飛行というカテゴリーに該当となり、最もリスクの高い第三者上空に当てはまる有人地帯で、国の第一種機体認証を受けている型式のドローンを飛行させる時に、立入り管理措置をせずに目視外飛行させることができます。
輸送分野業務を行う人にとっては最重要な資格です。
- 二等資格
二等資格はレベル3とレベル3.5飛行というカテゴリーとなり、無人地帯で、立入り管理措置を行うことで、目視外飛行させることができます。第三者上空は飛行させることが出来ません。
レベル3.5が導入されてからは、道路横断時の一時停止不要と通行車両の上空飛行が可能となり、二等資格取得のメリットも一段と高くなりました。
受験資格や指定試験機関の試験手数料は?
- 受験資格は、年齢が16歳以上であることが定められています。(なので高校生も可。)
- 「学科試験」に合格し合格証明番号が発行された後に「実地試験」が申込み可能。
身体検査は学科試験の合格、実地試験の合格または免除後、公的証明書か、医療機関の診断書(無人航空機操縦者身体検査証明書)が必要で、書類検査でも完了します。
身体検査の手数料
| 受検方法 | 試験手数料 |
| 書類受検 | 5,200円 |
| 会場受検 | 19,900円 |
- 公的証明書:自動車運転免許(自動二輪免許、小型特殊免許及び原付免許を除く)有効期間内の自動車運転免許証があればOKです。
- 指定航空身体検査医による航空身体検査証明書
- 無人航空機操縦者技能証明書
- 医療機関の診断書
下のURLの「無人航空機操縦士試験申込システム」からダウンロードできます。
https://ua-remote-pilot-exam.manaable.com/mypage/applications/83414359-171a-4443-b286-d5eea353b0f7
学科試験の手数料は?
学科試験1回の受験料
| 試験種別 | 試験手数料 |
| 一等学科試験 | 9,900円 |
| 二等学科試験 | 8,800円 |
実地試験の手数料
- 回転翼航空機(マルチローター)※ドローン
- 基本・昼間・目視内 (一等 22,000円、二等 20,400円)
- 限定変更 (一等 20,800円、二等 19,800円)
基本というのは、「昼間」(日の出から日の入りまでの間)に「目視内」で、最大離陸重量「25kg未満」の機体を飛行させるために必要な技能を測る実地試験のこと。
限定解除とは、「夜間飛行」、「目視外飛行」、最大離陸重量「25kg以上」のいずれかの限定を解除するための実地試験のことです。
レベル3.5導入で二等資格でもビジネスに期待!
無人地帯での目視外飛行(手動・自動操縦)で飛行させるレベル3飛行では、道路や鉄道など
計画した飛行経路内にどうしても第三者の立入りの可能性が排除できない場所では、看板の設置や、追加で補助者の配置が求められ、事業化も難航。ドローンビジネスする上での大きなネックとなっていました。
事業者さん達からは、何とか緩和できないか。という声も多かったらしく以下の3点を必須条件として看板不要、道路横断の際の一時停止不要で飛行できるようになるレベル3.5という制度が新設されました。
レベル3.5必須条件3点
- 無人航空機技能証明(二等以上、目視外の限定解除)の保有
- 第三者賠償責任保険の加入
- 機体カメラによる立入り管理措置の実施
※上記以外にも申請条件はあります。
国の機体認証をうけていることが条件となっていないため、申請機体の幅が広がりDJI社も複数機申請可能に。
一般向けカメラドローン
- DJI Mavic 3Pro、Mavic 3 Pro Cine
- DJI Mavic 3、Mavic 3Cine
- DJI Mavic 3 Classic
- DJI Air 3
- DJI Inspire
https://www.dji.com/jp/media-center/announcements/a-notice-for-using-dji-drones
レベル3.5の新設で運用コストも軽減され、建設・農林水産業や環境調査、インフラ点検、配送サービス等で社会的サービスの向上とビジネス参入もしやすくなるのではないかと思います。
一般消費者向けドローンのDJI Mini 4 Proが第二種型式認証を取得!

2025年5月DJI社は、国土交通大臣からDJI Mini 4 Proについて第二種型式認証を取得。
これまで国の型式認証機は一般消費者ではとても手がでないような高額な機体ばかり。
2025年5月23日DJI社は、国土交通大臣からDJI Mini 4 Proについて第二種型式認証を取得。
機体認証・型式認証の制度が2022年12月に開始され一般消費者向けのカメラドローンで型式認証を取得しているものはありませんでしたが、初めて一般消費者向けへの型式認証となりました。
二等資格+第二種型式認証・機体認証で得られるメリットは?
二等資格+第二種型式認証・機体認証の二つの組み合わせで得られるメリットは、立入り管理措置の免除ではなく、「飛行許可承認申請の省略」です。
操縦者が二等以上の無人航空機操縦者資格を保有し
必要な限定解除を受けていれば以下4つの特定飛行が承認不要となります。
特定飛行の種類
- 夜間飛行(目視のみ)
- 人口集中地区上空での飛行
- 目視外飛行
- 人または物件との距離30m未満での飛行
二等資格と第二種機体認証は、あくまで「手続き(申請)を簡略化する」ための制度なので「第三者の立入りを制限しなくてもよい(立入り管理措置不要)」ということにはなりません。
特定飛行させる時は、必ず補助者の配置や看板・コーン等で第三者が飛行経路に進入しない措置を講じる必要があります。
特定飛行の承認不要の注意点3点
https://www.dji.com/jp/media-center/announcements/dji-receives-type-certification-mini-4-pro
https://dl.djicdn.com/downloads/DJI_Mini_4_Pro/Guidance_for_TC_aircrafts_JP__v1.0.pdf
まとめ
国家資格者が機体認証機を操縦することにより、様々な分野でドローンがより「信頼できる」「安全性の高い」ツールとして社会に浸透しドローン業界全体の発展と運用の効率化が進むような気がする一方で、
ドローンは単に「飛ばせる」から「誰が飛ばすか」へ
さらに、「飛ばせる」フェーズから
「操縦者がどう安全に運用するか」が問われるフェーズに移行します。
安全な運用には操縦者のNTS(ノンテクニカルスキル:社会的スキル)が最重要となる分、人の重要性も高まります。
操縦者の状況認識力、コミュニケーション能力等、社会的スキルと知識が差別化の要因となりそうです。
最後までご覧頂きありがとうございました。